ZuoraはProduct Rate Plan ChargeのTax Codeと顧客のBill To住所を組み合わせ、Bill Run時に自動で税計算します。内部・外部エンジンの使い分けとExempt・Tax Modeの設定を理解することで、グローバルな税務設計ができるようになります。
全体フロー — オブジェクトとアクションの関係:
knowledgecenter.zuora.comknowledgecenter.zuora.com/Zuora_Billing/B_Set_up_Zuora_Billing/Apply_taxes/A_Z...Tax CodeはChargeに設定する商品分類タグです。Tax RuleはそのタグとBill To住所の組み合わせで税率を決める変換ルールになります。
Zuoraの税計算は「何を売るか(Tax Code)」×「どこに売るか(住所)」の2軸で決まります。
| パラメーター | 設定場所 | 役割 |
|---|---|---|
| Tax Code | Product Rate Plan Charge | 商品・サービスの税区分ラベル(例:SaaS_Software) |
| Tax Rule | Zuora税設定 | Tax Code × 管轄地域 → Tax Rateを決めるルール |
| Tax Rate | Tax Rule内 | 実際に適用する税率(例:10%、8.5%) |
Tax Codeの設定場所:
Product
└── Product Rate Plan
└── Product Rate Plan Charge ← ここにTax Codeを設定
└── Subscription作成時にRate Plan Chargeへ引き継がれる
Tax Ruleの例:
| Tax Code | 管轄地域 | Tax Rate |
|---|---|---|
| SaaS_Software | 日本 | 10% |
| SaaS_Software | 米国・カリフォルニア州 | 8.5% |
| Physical_Goods | 日本 | 10% |
Zuora Taxはシンプルな税務シナリオに対応する内部エンジンです。複雑な要件には外部エンジンとの連携が必要です。
| Tax Rateタイプ | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| Percentage(パーセンテージ) | 課税対象金額に対して一定の割合を税として計算 | 消費税10%、VAT20% |
| Flat Fee(定額) | 金額によらず固定額を税として課す | $5固定の環境税など |
顧客アカウントのTax Exemptフィールドには3つのステータスがあります。
| ステータス | 意味 | 税の扱い |
|---|---|---|
| No | 非免税(通常の課税対象) | 税金が課される |
| Yes | 完全免税 | 税金は課されない |
| Pending Verification | 免税申請の審査中 | 確認が取れるまで税金が課される |
Bill Run時にZuoraがTax Code×管轄地域を自動照合し、Taxation Itemを生成します。税計算の実行はBill Runのタイミングです。
Zuoraの税計算はOrderやSubscription作成時ではなく、Bill Runの実行時に行われます。Chargeに設定されたTax Codeは「タグ」として保存されているだけで、Bill Runが走るまで税額は確定しません。
税計算に使う住所はAccountに設定されたBill ToとSold Toの2種類があり、どちらか一方を選択して使用します。
| 住所 | 意味 | 代表的な使いどころ |
|---|---|---|
| Bill To | 請求先の住所(デフォルト) | 請求書の送付先と課税管轄を一致させたい場合 |
| Sold To | サービス利用地・販売先の住所 | 本社と支社が別国にある顧客など、サービス実態の場所で課税したい場合 |
税額の端数処理(丸め)をどの粒度で行うかは、Billing Settingsで設定します。
| スコープ | 計算方法 |
|---|---|
| Line Level(明細単位) | Invoice ItemごとにTax Amountを計算し丸める |
| Invoice Level(請求書単位) | すべての明細の税額を合算してから丸める |
| 向いているケース | 向いていないケース |
|---|---|
| 販売国・州が少ない | 米国の複数州に販売している |
| 税率が安定している | 税率改正への自動対応が必要 |
| 税構造がシンプル | グローバル展開で管轄が数十以上ある |
複雑な税管轄や税率の自動更新への対応のため、ZuoraはTax Codeと住所を外部エンジンに送り税額を受け取るハブとして機能します。
| エンジン | 特徴 |
|---|---|
| Avalara | 米国・グローバルに強い。最も広く使われる |
| Vertex | 大企業向け。カスタマイズ性が高い |
| エンジン | Tax Codeの制約 |
|---|---|
| 内部エンジン | 自由に定義できる(例:SaaS_Software) |
| Avalara | Avalaraの分類コードに合わせる必要がある(例:D0000000) |
| Vertex | Vertexのタクソノミーに準拠する必要がある |
Taxation ItemはBill Run時に生成される税明細オブジェクトです。AccountまたはChargeレベルで事前に非課税設定できます。
| フィールド | 内容 |
|---|---|
| Tax Amount | 計算された税額 |
| Tax Rate | 適用された税率(%) |
| Jurisdiction | 適用された管轄地域(国・州など) |
| Tax Code | 使用されたTax Code |
| Exempt Amount | 非課税にした金額 |
| 操作 | 対象 | 使いどころ |
|---|---|---|
| Exempt | Bill Run前のAccount / Charge | 非課税にする(事前設定) |
| Adjust | Bill Run後のTaxation Item | 生成済み税額を修正する(事後補正) |
| 設定レベル | 使いどころ | 例 |
|---|---|---|
| Accountレベル | 顧客自体が免税対象の場合 | NPO法人、政府機関、免税番号保有の企業 |
| Chargeレベル | 同じ顧客でも特定商品だけ非課税にしたい場合 | 教育用ライセンスのみ非課税 |
実務では顧客が発行した**Tax Exemption Certificate(免税証明書)**を取得・保管しておくことが求められます。Zuora自体が証明書ファイルを保管する機能は持っていないため、ZuoraのAccountにはExemption Certificate番号などをカスタムフィールドで記録するのが一般的です。
ExclusiveはChargeの金額に税を上乗せし(デフォルト)、Inclusiveは税込み価格から税額を内訳として分離します。
| モード | Chargeの金額 | 税の扱い | 顧客への請求額 |
|---|---|---|---|
| Exclusive(税抜き) ★デフォルト | 税抜き価格 | Chargeに上乗せ | Charge + Tax |
| Inclusive(税込み) | 税込み価格 | Chargeの内訳として分離 | Charge(税含む) |
数値例(Tax Rate = 10%):
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